1からのアントレプレナーシップ

山田幸三・江島由裕(編著)

アントレプレナーシップとは何か
アントレプレナーとはどんな人々か
これからの日本社会のキーワードを体系的に学ぶ

発売日:2017年4月15日
ISBN:978-4502222818
定価:2,640円
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目次

※所属および職名は出版当時のものです。

序文

執筆 :山田幸三(上智大学 経済学部 教授)

第I部 アントレプレナーシップとは

第1章 アントレプレナーシップの基礎理論 ―アントレプレナーとはどのような人々なのか?

執筆 :山田幸三(上智大学 経済学部 教授)

  1. はじめに
  2. 楽天・三木谷浩史の挑戦
  3. イノベーションを遂行する:シュンペーターとカーズナーの企業家像
    • 新しい組み合わせで革新を起こす企業家
    • 機敏に機会を捉える企業家
  4. 起業経験と企業家のタイプ
    • 初心者型企業家と実践経験型企業家
    • シリアル・アントレプレナーと産業クラスター
  5. アントレプレナーシップと経営戦略
    • アントレプレナーシップとドメインの定義
    • アントレプレナーシップと事業創造のプロセス
    • アントレプレナーシップとビジネスシステム
  6. おわりに
    • Column1-1 イノベーションの機会と企業家的志向性
    • Column1-2 伝統産地の存続とアントレプレナーシップ
    • 考えてみよう/参考文献/次に読んで欲しい本
第2章 アントレプレナーシップの社会的意義 ―アントレプレナーの果たす役割とは何か?

執筆 :江島由裕(大阪経済大学 経営学部 教授)

  1. はじめに
  2. 社会を変えるアントレプレナーたち
    • アメリカでIT産業が勃興:ジョブズやゲイツの登場
    • 驚きのサービスや商品の登場
    • 社会派アントレプレナーの活躍
  3. 産業の新陳代謝
    • 新規開業を通じた新産業の創出
    • 社内の新規事業を通じた会社の生まれ変わり
  4. 顧客価値の創造
    • 潜在的な顧客ニーズの顕在化
    • 事業機会の探索、発見、活用
    • 時代の潮流と技術トレンド
  5. 社会的課題の解決と働き方の広がり
    • 事業の経済性と社会性
    • 広がる働き方の選択
  6. おわりに
    • Column2-1 多産多死と少産少死
    • Column2-2 企業家的自己効力
    • 考えてみよう/参考文献/次に読んで欲しい本
第3章 アントレプレナーシップと倫理教育 ―アントレプレナーには何が必要か?

執筆 :井上真由美(高崎経済大学 経済学部 准教授)

  1. はじめに
  2. 出光佐三と神戸高商
    • 出光佐三の母校
    • 草創期の神戸高商と初代校長の理念
  3. 実践力重視と商業の社会的意義
    • 実践力重視の教育
    • 商業の社会的意義とその伝達
    • 出光の経営方針への反映
  4. ビジネススクールの教育
    • 現代のビジネススクールの実状
    • ビジネススクールの教育法
    • ケースメソッドの利点と限界
  5. 経営倫理教育
    • 無視できなくなった経営倫理
    • 経営倫理の必要性が唱えられるようになった背景
    • 現代のビジネススクールの経営倫理教育
  6. おわりに
    • Column3-1 出光佐三が企業家になれたわけ
    • Column3-2 企業家教育に特化したバブソン大学では
    • 考えてみよう/参考文献/次に読んで欲しい本
第4章 独立アントレプレナー ―アントレプレナーはいかにして新たな事業を創造するのか?

執筆 :今井希(大阪府立大学 第2学系群社会科学系 准教授)

  1. はじめに
  2. イケア
    • イケアの店舗や商品の特徴
    • 世界最大の家具小売業者イケア
  3. 起業への影響要因と起業プロセス
  4. アントレプレナーシップの要件とプロセス
  5. 経営資源の獲得と展開
    • 経営資源と中核能力
    • イケアの中核能力
  6. おわりに
    • Column4-1 資源の捉え直しに基づく事業化
    • Column4-2 イケアのビジネスモデルの高度化と成長
    • 考えてみよう/参考文献/次に読んで欲しい本

第II部 多彩なアントレプレナーシップ

第5章 ファミリー・アントレプレナー ―ファミリー・ビジネスは保守的なのか?

執筆 :尹大栄(静岡県立大学 経営情報学部 教授)

  1. はじめに
  2. 韓国の三星グループ(Samsung Group)
    • 創業と成長期(1938年〜1987年):地方の商店から世界的企業へ
    • 経営改革と全盛期(1988年〜2013年)
    • 「第2の全盛期」に向けて(2014年〜)
  3. 事業承継は「第2創業」のはじまり
  4. 革新性に富むファミリー・ビジネス
    • 長寿のファミリー・ビジネス
    • オーナー経営者 、ファミリー出身の経営者 vs 専門経営者、内部昇進の経営者
  5. ファミリー企業の新事業開拓に見られる革新のパターン
    • 伝統事業(本業)の技術・ノウハウのさらなる深化
    • 本業非関連事業の創造
  6. おわりに
    • Column5-1 スリー・サークル・モデル
    • Column5-2 (株)能作
    • 考えてみよう/参考文献/次に読んで欲しい本
第6章 コーポレート・アントレプレナー ―社内からアントレプレナーを生み出すには何が必要なのか?

執筆 :矢寺顕行(大阪産業大学 経営学部 准教授)

  1. はじめに
  2. アスクルと岩田彰一郎
    • 新事業の模索と「ブルースカイ委員会」
    • アスクル事業推進室と岩田彰一郎
    • アスクルの事業化
    • トップのサポートと分社化:株式会社アスクル
  3. 新事業開発と社内企業家
    • 企業の成長と新事業開発
    • 社内企業家の特徴:ビジョンと行動力
  4. 社内企業家の輩出と支援
    • 社内企業家の輩出
    • 社内企業家の支援
  5. 新事業のマネジメント
    • 新事業とトップの役割
    • 新事業開発の組織デザイン
  6. おわりに
    • Column6-1 社内企業家と組織文化
    • Column6-2 社内企業家のための組織デザイン
    • 考えてみよう/参考文献/次に読んで欲しい本
第7章 アカデミック・アントレプレナー ―大学の研究現場からアントレプレナーは生まれるのか?

執筆 :横山恵子(関西大学 商学部 教授)

  1. はじめに
  2. ペプチドリームとサイバーダイン
    • 上場した大学発ベンチャー
    • ペプチドリームの卓越性
    • サイバーダインの強力な理念
  3. アカデミック・アントレプレナーとは
  4. アカデミック・アントレプレナーの環境
  5. アカデミック・アントレプレナーシップの特徴
    • 企業家チーム
    • 経営資源と大学との関係
    • ミッション
    • ビジネスモデル
    • ネットワーク
  6. おわりに
    • Column7-1 様々なアカデミック・アントレプレナー
    • Column7-2 アカデミック・アントレプレナーと役割葛藤
    • 考えてみよう/参考文献/次に読んで欲しい本
第8章 ソーシャル・アントレプレナー ―アントレプレナーは社会的問題を解決できるのか?

執筆 :相原基大(北海道大学 経済学部 准教授)

  1. はじめに
  2. COEプログラムの成立と展開
    • コーヒー豆生産地における貧困問題
    • 2人のアントレプレナーの出会い
    • 革新的な取引スキームの開発と普及
  3. ソーシャル・アントレプレナーへの注目
    • ソーシャル・アントレプレナーとは
    • ソーシャル・アントレプレナーの役割
  4. 社会的問題と事業創造の機会
    • 戦略的社会性
    • 社会的問題を事業機会へと転換
  5. ビジネス手法を用いた社会的問題の解決
    • 問題解決を担う事業体の設立
    • ソーシャル・アントレプレナーが用いる4つのビジネス手法
  6. おわりに
    • Column8-1 ソーシャル・ビジネス
    • Column8-2 ソーシャル・アントレプレナーの活動を支援する組織
    • 考えてみよう/参考文献/次に読んで欲しい本

第III部 ライフステージとアントレプレナーシップ

第9章 誕生・成長初期のアントレプレナーシップ ―どのようなビジネスモデルで勝負するのか?

執筆 :足代訓史(大阪経済大学 経営学部 准教授)

  1. はじめに
  2. Twitter(ツイッター)
    • ツイッターとは
    • 創業のきっかけ
    • コンセプトと収益獲得の仕組み
  3. 事業機会の認識
    • 事業機会の認識とは何か
    • 事業機会はどこにあるのか
    • 事業機会を認識できる企業家とは
  4. 事業コンセプトの練り上げ
    • 事業コンセプトとは何か
    • ツイッターの事業コンセプト
    • 事業コンセプトを練り上げる意義
  5. ビジネスモデルの設計
    • ビジネスモデルとは何か
    • ビジネスモデル・キャンバス
    • ビジネスモデルの作り込み
  6. おわりに
    • Column9-1 リーンスタートアップ
    • Column9-2 ネットワーク外部性とフリーモデル
    • 考えてみよう/参考文献/次に読んで欲しい本
第10章 成長期のアントレプレナーシップと外部資源 ―いかに獲得して活用するのか?

執筆 :下野由貴(名古屋市立大学 経済学部 准教授)

  1. はじめに
  2. 豊田自動織機
    • トヨタグループのアントレプレナーシップ
    • 豊田自動織機のM&A
  3. さまざまなM&A
    • M&の定義
    • 同業種のM&Aと異業種のM&A
    • 友好的M&Aと敵対的M&A
  4. M&Aのメリット・デメリット
    • 自前主義のメリット・デメリット
    • M&Aのメリット
    • M&Aのデメリット
  5. M&Aのプロセス
    • 3つのプロセス
    • 日本電産の3Q6S
    • 豊田自動織機の太陽政策
  6. おわりに
    • Column10-1 障子を開けてみよ、世間は広いぞ
    • Column10-2 麗しき誤解のうちに、他人のふんどしで勝負する
    • 考えてみよう/参考文献/次に読んで欲しい本
第11章 成長期のアントレプレナーシップと内部資源 ―いかに蓄積して組織を強くするのか?

執筆 :北居明(甲南大学 経営学部 教授)

  1. はじめに
  2. 株式会社ディー・エヌ・エー
    • モバオクの成功
    • ソーシャルゲームへの展開
    • DeNAクオリティ
  3. 経営資源とは
    • 経営資源の特徴
    • 情報的経営資源の重要性
    • 情報的経営資源のタイプ
  4. 経営資源の蓄積と活用の方法
    • 個人学習と組織学習
    • 経営資源の活用
    • スラック資源
    • 学習のパラドックス
  5. 学習のパラドックスからの脱却
    • オーバー・エクステンション
    • ミドルの突出
    • 失敗のマネジメント
  6. おわりに
    • Column11-1 VRIO分析
    • Column11-2 組織文化
    • 考えてみよう/参考文献/次に読んで欲しい本
第12章 長寿企業とアントレプレナーシップ ―ビジネスシステムは伝統産業をいかに存続させたか?

執筆 :柴田淳郎(滋賀大学 経済学部 准教授)

  1. はじめに
  2. 彦根仏壇産業
  3. 経営と技能継承のビジネスシステム
    • 株式会社永楽屋の起業と経営継承
    • 職人家族を中心とした起業と技能継承
  4. 経営・技能継承とアントレプレナーシップ:継承プロセスの不連続性と非系統性
    • 継承プロセスの不連続性
    • 継承プロセスの非系統性
  5. スピンオフの連鎖と長寿企業の制度的叡智
  6. おわりに
    • Column12-1 長寿企業の実像はいかなるものか?
    • Column12-2 長寿企業のビジネスシステムとその制度的叡智:金剛組の企業統治メカニズム
    • 考えてみよう/参考文献/次に読んで欲しい本

第IV部 地域とアントレプレナーシップ

第13章 アントレプレナーシップとエスニック・マイノリティ ―コミュニティはアントレプレナーの活力をいかに生み出すか?

執筆 :芦塚格(近畿大学 経営学部 教授)

  1. はじめに
  2. 神戸長田ケミカルシューズ産業
  3. 社会関係に埋め込まれたエスニック・アントレプレナーシップ
    • エスニック集団
    • 経済的棲み分け
  4. エスニック・アントレプレナーの資源獲得ネットワーク
    • チェーン・マイグレーション
    • ネットワーク内にある信頼関係
  5. 社会関係の変容とアントレプレナーシップ
    • エスニック集団を取り巻く環境変化
    • 自営業比率の国別の違い
    • 歴史的経緯とエスニック集団
  6. おわりに
    • Column13-1 ユダヤ人企業家の隆盛:教育が支えるエスニック集団の卓越性
    • Column13-2 パキスタン系アントレプレナーと中古車貿易業
    • 考えてみよう/参考文献/次に読んで欲しい本
第14章 グローバル・アントレプレナーシップ ―新興国企業はいかにしてグローバル化するのか?

執筆 :于琳(岡山商科大学 経営学部 准教授)

  1. はじめに
  2. ハイアール:倒産寸前から世界一の家電総合メーカーへ
    • 第1段階:中国国内でのブランドの確立(1984-1991)
    • 第2段階:事業の多角化(1992-1998)
    • 第3段階:国際化/世界ブランド化(1998-2005)
    • 第4段階:グローバル化(2005-2012)
    • 第5段階:ネットワーク化(2012-現在)
  3. 国内基盤を固める:事業発展プロセス
    • 新たな事業機会の探索
    • 2つの強みをいかして価値を生み出す
  4. 急成長を遂げる:資金調達と買収
  5. グローバル化を図る:特徴と体制づくり
    • 「自社ブランド」で海外進出
    • 「先難後易」(セィナンホウイ)の戦略
    • 「人単合一」(ジンタンゴウイチ)の管理システムの導入
  6. おわりに
    • Column14-1 ハイアールの日本進出
    • Column14-2 多国籍企業の強み
    • 考えてみよう/参考文献/次に読んで欲しい本
第15章 アントレプレナーシップとエコシステム ―なぜシリコンバレーはアントレプレナーを輩出し続けるのか?

執筆 :秋庭太(龍谷大学 経営学部 准教授)

  1. はじめに
  2. シリコンバレーとFacebook
    • シリコンバレーの概要
    • シリコンバレーで創業したFacebook
  3. シリコンバレーとエコシステム(生態系)
    • スタートアップ(創業初期のベンチャー)を育てるエコシステム
    • Facebookを取り巻くエコシステム
  4. リサイクルされるアントレプレナーとベンチャーキャピタルの役割
    • アントレプレナーの失敗と再チャレンジ
    • 投資家と報酬
  5. 世界中からシリコンバレーに流入する人材
  6. おわりに
    • Column15-1 サッポロバレー
    • Column15-2 エンジェル投資家とベンチャーキャピタル
    • 考えてみよう/参考文献/次に読んで欲しい本

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