小規模組織の特性を活かすイノベーションのマネジメント

水野由香里(著)

モノづくり中小企業がイノベーションを実現させるために必要な要素とは何か

発売日:2015年11月18日
ISBN:978-4-502-15741-7
定価:4,290円
amazon
電子書籍版あり

「2016年 中小企業研究奨励賞 受賞」一般財団法人 商工総合研究所
→ 詳細はこちら

目次

はしがき
序章 中小企業のイノベーションを考える
  • 1. 本書の目的
  • 2. イノベーションの定義
  • 3. 本書のねらいとメッセージ
    • 3.1 本書のねらい
    • 3.2 資源動員とは
    • 3.3 中小企業の資源動員
    • 3.4 分析の単位とイノベーション・マネジメントの分類
    • 3.5 モノづくり中小企業経営者に対するメッセージ
  • 4. 本書の構成
第1章 中小企業にイノベーションが求められるようになった背景と現状
  • 1. 中小企業研究の系譜
    • 1.1 中小企業論
    • 1.2 下請中小企業が直面した「逆境」と切り開いた活路
    • 1.3 中小企業間の関係性を対象とした研究
  • 2. 中小企業のイノベーションを阻む理由
    • 2.1 中小企業のイノベーションを阻む2つの理由
    • 2.2 それでもやはり中小企業にもイノベーションは必要
  • 3. 中小企業の研究開発の現状
  • 4. 本章のまとめ
第2章 イノベーションのマネジメントに関する代表的な研究
  • 1. 代表的なイノベーション・マネジメント研究
    • 1.1 Innovation Management
    • 1.2 Permanent Innovation Management
    • 1.3 Management of Technology
  • 2. 資源動員の創造的正当性
  • 3. Exploration and Exploitation/Ambidexterity
    • 3.1 知の探索(Exploration)と活用(Exploitation)
    • 3.2 両利きの経営(Ambidexterity)
  • 4. 限定合理的な組織におけるイノベーションのマネジメント
  • 5. 中小企業のイノベーション・プロセスの視点を提供している研究
    • 5.1 制約・逆境に打ち勝つイノベーション・マネジメント
    • 5.2 ネットワークによる中小企業のイノベーション・マネジメント
    • 5.3 中小企業のイノベーションのためのCollective strategy
  • 6. 本章のまとめ
第3章 中小企業のイノベーション・マネジメント その1 単独で取り組む
  • 1. 調査の概要
  • 2. イノベーション取り組みのきっかけ
    • 2.1 自社・経営者が直面する課題の解決
    • 2.2 社外からの問い合わせや要望、照会
    • 2.3 社外への発信・対外的活動
    • 2.4 既存事業の低迷や取引先からの受注減
    • 2.5 イノベーションの「きっかけ」:本節のまとめ
  • 3. イノベーションに対する基本的姿勢・組織特性
    • 3.1 本業で利益が出ているうちに次の事業の柱を探す
    • 3.2 「チャンスをつかむ」経営者の意識
    • 3.3 業務の上流・下流に目を向ける
    • 3.4 挑戦し続ける組織風土
    • 3.5 イノベーションの機会をつかむという視点:本節のまとめ
  • 4. イノベーションの行動規範
    • 4.1 試行錯誤
    • 4.2 失敗に学ぶ
    • 4.3 断らない
    • 4.4 要望・ニーズを探し出す
    • 4.5 「営業のツール」を持つ
    • 4.6 見本市・展示会への出展
    • 4.7 提案すること
    • 4.8 「イノベーションの流儀」:本節のまとめ
  • 5. ステークホルダーとの関係
    • 5.1 顧客との関係
    • 5.2 他のステークホルダーとの関係
    • 5.3 イノベーティブな中小企業にとっての良きステークホルダー
    • 5.4 筋が良いステークホルダーとのつながり
    • 5.5 筋が良いステークホルダーとつながることの本質的な意味:本節のまとめ
  • 6. イノベーションの展開方法
    • 6.1 技術蓄積と中核技術の深化
    • 6.2 中核技術の用途拡大
    • 6.3 ニッチ市場に狙いを定める
    • 6.4 試作を手がける
    • 6.5 自社製品(B2B)を開発する
    • 6.6 自社製品(B2C)を開発する
    • 6.7 イノベーションを実現する具体的方法:本節のまとめ
  • 7. 中小企業が単独でイノベーション・マネジメントする際の論点
    • 7.1 イノベーションのきっかけ
    • 7.2 単独でイノベーションをマネジメントする組織的特徴と企業像
    • 7.3 具体的なイノベーションの実践
  • 8. 本章のまとめと知見
    • 8.1 組織内部と組織外部のイノベーション・マネジメント:本章のまとめ
    • 8.2 中小企業が単独でイノベーションを遂行する調査研究から得られた知見
第4章 中小企業のイノベーション・マネジメント その2 外部資金を獲得する
  • 1. 調査の概要
  • 2. 補助金の申請理由
    • 2.1 資金不足
    • 2.2 高い開発リスク
    • 2.3 将来のための投資
    • 2.4 長期的成長を見据えたイノベーションのための企業行動:本節のまとめ
  • 3. 補助金採択のメリット
    • 3.1 外部評価の向上
    • 3.2 技術知の蓄積
    • 3.3 補助金に採択されることの効果:本節のまとめ
  • 4. 実用化と事業化の違い
    • 4.1 「長期的ビジョン」
    • 4.2 「高価格」
    • 4.3 「オーバースペック」
    • 4.4 「採算性」
    • 4.5 「安全性の確保」
    • 4.6 事業化することの難しさ:本節のまとめ
  • 5. 採択企業の費用負担
    • 5.1 採択前の費用負担
    • 5.2 採択期間中の費用負担
    • 5.3 採択期間終了後の費用負担
    • 5.4 補助金活用時の費用負担:本節のまとめ
  • 6. 本章の論点
  • 7. 本章のまとめと知見
    • 7.1 補助金を獲得してイノベーションに取り組む中小企業の共通点:本章のまとめ
    • 7.2 中小企業が外部資金を獲得してイノベーションを遂行する調査研究から得られた知見
補論 外部資金を獲得してイノベーションを遂行する大企業のケース
  • 1. 調査の概要
  • 2. 補助金の申請理由
    • 2.1 開発費用を確保する必要性
    • 2.2 開発予算の不足
    • 2.3 短期的な収益が見込めない
    • 2.4 開発にかかる高いリスク
    • 2.5 大企業の事情:本節のまとめ
  • 3. 補助金採択のメリット
    • 3.1 対外的評価の向上
    • 3.2 社内の理解・部署の評価の向上
    • 3.3 技術の転用
    • 3.4 社内の資源動員を正当化する手段となり得る補助金:本節のまとめ
  • 4. 実用化と事業化の違い
    • 4.1 「高価格」
    • 4.2 「採算性」
    • 4.3 「安全性の確保」
    • 4.4 事業化の難しさ:本節のまとめ
  • 5. 費用負担
    • 5.1 採択前の費用負担
    • 5.2 採択期間中の費用負担
    • 5.3 採択期間終了後の費用負担
    • 5.4 補助金活用時の費用負担:本節のまとめ
  • 6. 補論のまとめ
第5章 中小企業のイノベーション・マネジメント その3 「関係性」を確立する
  • 1. 本章の調査に関する概要
  • 2. スポットの関係性を構築することでイノベーションに取り組む中小企業
    • 2.1 産学連携
    • 2.2 異業種交流
    • 2.3 限られた期間で成果を達成するために外部資源を活用する:本節のまとめ
  • 3. 長期的な関係性を構築することでイノベーションに取り組む中小企業
    • 3.1 東成エレクトロビームを中核とする企業間ネットワークの仕組み
    • 3.2 京都試作ネットの仕組み
    • 3.3 長期的関係を構築してイノベーションに取り組む:本節のまとめ
  • 4. 本章のまとめと知見
    • 4.1 外部資源を活用するイノベーションのマネジメント:本章のまとめ
    • 4.2 スポットの関係性でのイノベーション達成事例と長期的な関係性での達成事例の比較
第6章 中小企業のイノベーション・マネジメントの含意:結論とインプリケーション
  • 1. 本書の目的と事例研究の整理
  • 2. 結論
    • 2.1 中小企業がイノベーションを生み続けるための組織づくり
    • 2.2 中小企業の資源動員の創造的正当化の論理
    • 2.3 知の探索と活用の両立と両利きの経営の追求
    • 2.4 限定合理的な組織であるがゆえのイノベーション・マネジメント
    • 2.5 ネットワーク活動を通してイノベーションを実現する中小企業
  • 3. 本書の知見とインプリケーション
    • 3.1 本書の知見
    • 3.2 本書のインプリケーション
  • 4. 今後の研究課題と展望
終章 中小企業のイノベーションのこれから
  • 1. 中小企業従事者および経営者らへのメッセージ
  • 2. 中小企業がイノベーションを捲き起こすために
インタビュー調査リスト
参考文献

関連書籍

エフェクチュエーション
電子書籍版あり
エフェクチュエーション
サラス・サラスバシ―(著)
加護野忠男(監訳)
高瀬進・吉田満梨(訳)