寄り添う力 マーケティングをプラグマティズムの視点から

石井淳蔵(著)

相手に共感し、経験をともにする現場でビジネスの知は生まれる
マーケターの仕事は、「その人と同じ目線に立つ」
「その人のために、自分はなにができるのかを考える」ところからスタートする

発売日:2014年2月21日
ISBN:978-4-502-08740-0
定価:1,980円
amazon
電子書籍版あり

目次

Part1 プロローグ

1講 寄り添う力

  1. 患者さんと喜怒哀楽を共にするエーザイ
  2. ケアモアの医療サービス改革
  3. 2つの組織から学びたいこと
2講 成熟経済におけるマーケティングの精神―本書のガイドを兼ねて

  1. 豊かな時代
  2. わが国における経済モデルの転換
  3. マーケティングの精神
  4. マーケター自身がマーケティングを通して成長する
  5. 本書の構成

Part2 寄り添う力のケースに学ぶ

3講 寄り添い、共感する力が資源に変わる

  1. 被災地への思いは市場を超える
  2. 共感は市場を創る
  3. ヴィラデスト・ガーデンファームの里山ビジネス
  4. 誰かのために、誰かと一緒に
4講 寄り添う力をビジネスの原点にして

  1. 地域に密着する近畿タクシー
  2. 片足でもシューズを売る会社、徳武産業
  3. 顧客に寄り添い、創造的観察を試みる
5講 ロバストな組織のつくり方

  1. 医療従事者の被災地支援
  2. 計画よりも実践重視
  3. 最適デザインとロバスト・デザイン
  4. 未来志向のロバスト経営

Part3 臨床の知の働きを学ぶ

6講 相手に寄り添うことで生まれる知

  1. マーケターの立ち位置
  2. 知らないうちに知ってしまう力(tacit knowing)
  3. 相手に寄り添う―相手と一体化し、全体を一気に把握する
  4. マーケターの課題
7講 組織において経験が断片化する

  1. 稲盛和夫さんの99.9%の想念
  2. アタマの中が、対象についての想念でいっぱいになる
  3. 断片化される経験を組織として克服する
8講 歴史に寄り添う

  1. 科学の方法
  2. 因果関係で歴史を把握する
  3. 歴史に寄り添う
  4. 2つの理解を使い分ける組織の器量
9講 世の中に当たり前のできごとはない

  1. 〈事前の見え〉と〈事後の見え〉
  2. 物語的理解(事前の見え)と科学的理解(事後の見え)を比較する
  3. わかりやすさの落とし穴を避ける

Part4 プラグマティズムの哲学に学ぶ

10講 現実は、そのつどのコミュニケーションのなかで生まれる

  1. コミュニケーション・プロセス
  2. コミュニケーションの不思議
  3. 本質主義の理解からプラグマティックな理解へ
11講 実践と理論、その狭間で生きる

  1. マーケティングも科学です
  2. 世の中に、商人が、どうして存在するのか
  3. 市場自体を創り出す商人
  4. 理論は、起こった現実を前提にしてつくられる
  5. 理論は、実践のための不可欠な触媒
12講 自身の再定義を通じて人は成長する

  1. 仕事のプロセスをフェーズ化する
  2. 「知る」と「解る」の違い
  3. なにをやりたいのかは、仕事が終わるまでわからない
13講 福沢諭吉とプラグマティズムのすすめ

  1. 実学のすすめ
  2. 実学は主体的精神を鍛える
  3. 福沢諭吉のプラグマティズムの思想
  4. 実践は、現実の壁を克服し、理論の限界を乗り越える

Part5 プラグマティズムとマーケティング

14講 マーケティングの知の未来

  1. コンセプトの社会への定着と拡張
  2. 知識は発展する
  3. マーケティングの知3.0
  4. 知の仲間づくり
15講 プラグマティックなマーケターに向けて

  1. 〈本質〉を問いだすと、未来の可能性が失われる
  2. 〈真善美〉のプラグマティスト的理解
  3. 自由と仲間づくりを求めるマーケター

あとがき

参考文献

関連書籍

実践アクションリサーチ
電子書籍版あり
実践アクションリサーチ
デイビッド・コフラン、テレサ・ブラニック(著)
永田 素彦、高瀬 進、川村 尚也(監訳)
“美”のブランド物語
“美”のブランド物語
マーク・タンゲート(著)
張 智利、吉田満梨、渡辺紗理菜(訳)
医療イノベーションの本質
医療イノベーションの本質
クレイトン・M・クリステンセン、ジェローム・H・グロスマン、
ジェイソン・ホワン(著)
山本雄士、的場匡亮(訳)